鳴沢氷穴と富岳風穴のご紹介

「富士の氷穴天然水」の採水地・鳴沢にある「鳴沢氷穴」と「富岳風穴」についてご紹介させていただきます。

鳴沢氷穴

平安時代初期の貞観6年(864年)、貞観大噴火と呼ばれる大規模な噴火活動がありました。
富士山の横に位置する長尾山の噴火です。
噴出した膨大な溶岩が徐々に冷え固まる際に、外部が固まり、ガス体が圧力差によって表面の弱い所を押し破って外に吹き出し、空洞ができたものが、この鳴沢氷穴です。

上に吹き出してできた関係で、竪穴形式になっています。

内部の気温は、平均3度と低く、1年中氷が覆われていることから、この名が付いたそうです。
氷穴内には氷の貯蔵庫があります。
この貯蔵庫は、かつて江戸時代には献上するための物品として、大正時代には冷蔵庫の氷など、様々な用途で使われていたようです。

内部は総延長153mの環状になっており、一周することができます。

昭和4年に文部省の天然記念物の指定を受けてから世界に紹介され、地質学上、貴重な存在となっています。
ちなみに 鳴沢村の樹型溶岩群はスパイラクルの数では世界有数といわれています。

富岳風穴

鳴沢氷穴と同様、貞観大噴火でできたもので、氷穴は、内部のガス体が表面を押し破って噴出してできた空洞であるのに対し、内部の高熱なガス体や冷え切らない溶岩が流れ出ることで形成された空洞だそうです。

これは横に流れ出ているので、横穴形式になっています。

風穴の壁の玄武岩質が音を吸収する性質をもっているため、内部は不思議と音が反響しないのも特徴だそうです。

内部の気温は、同様平均3度で、蚕の卵の貯蔵に使われていたようです。
総延長は201mで、約15分ほどで見学できます。